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2009年12月16日 (水)

研修:夫婦財産制(その5)その他の夫婦財産制

夫婦財産契約を交わし、法定夫婦財産制以外の制度を選択した場合、3種類の約定夫婦財産制(régime conventionnel)がある。

別財産制に該当する制度を選んだ場合、結婚の継続中、夫婦それぞれが自分の固有財産を管理するが、離婚・死別時の取り扱いは別産制(séparation des biens)と後得財産分配参加制(participation aux acquêts)とで異なる。また、共通財産制を選ぶこともできる。

  1.別財産制

    A.別産制(séparation des biens)
夫婦それぞれが、婚前財産と結婚中に獲得した財産の所有者となり、管理は完全に独立。

夫婦関係の解消の際、それぞれが特有財産を引き取る。

問題点:完全な別産制であっても、基本的夫婦財産制は適用されるので、夫婦それぞれが家計支出の義務を負う。

この制度は、夫婦の一方が無職の場合(専業主婦など)、特有財産を構築することができない点が危険。


    B.後得財産分配参加制(participation aux acquêts)

1965年に導入された。モデルはドイツの夫婦財産制らしい。

結婚中は、別産制のように、夫婦それぞれが特有財産を管理する。しかし、婚姻関係の解消時、一方の利得(enrichissement、つまり豊かになること)にもう一方が貢献したとみなされる場合、貢献した側が後得財産に対する権利を有することになるので、これが分配される。

#日本のデフォルトの制度はこれだと思う。

#計算が面倒臭いので、普通、公証人はこの制度を紹介しないで済まそうとする傾向があるらしいので、この制度を希望する場合はしつこく尋ねないといけないかもしれない。


  2.共通財産制

    A.後得財産共通制(communauté réduite aux acquêts)

法定夫婦財産制を選択しながら、夫婦財産契約を交わすことももちろん可能。最初に書いたように、結婚前に夫から妻への、妻から夫への融資がある場合は契約書に明記しておいたり、結婚前に生まれた子供の認知を契約書に盛り込んでおくこともできる。また、共通財産の清算・分配時に50%ずつではない分配割合にすることも可能なので、あらかじめ決めておいた分配割合を契約書に書いておくこともできる。


    B.包括共通制(communauté universelle)

婚前財産、後得財産のすべてを共有財産とする制度。言い換えれば、特有財産もすべて共有財産として管理される。

この制度を選択する場合も、共有財産の分配割合を自由に決められる。

この制度を選択しつつ、なおかつ生存配偶者への財産付与条項(clause d’attribution au conjoint survivant)を契約に入れてある場合は、1人の死亡時に亡くなった者の財産の相続を行なわず、生存配偶者にすべての財産が付与される(相続ではないので相続税は発生しない)。

たとえば、離婚・死別時の夫婦の共有財産が10万ユーロだったとして、

1.生存配偶者への財産付与条項がない場合
夫と妻がそれぞれ5万ユーロずつ回収する。仮に夫が死亡して夫婦関係が解消された場合、夫の取り分5万ユーロが相続の対象となる。

2.生存配偶者への財産付与条項がある場合
仮に夫が死亡して夫婦関係が解消された場合、妻が全額10万ユーロを回収する。この時点で夫の財産の相続は行なわれない。したがって、成人した子供からの異議申し立てが出るなどして、紛争になることが多い。年の離れた若い後妻が先妻の子供たち(下手したら後妻より年上)に身一つで放り出されるのを防ぐために、あえてこの条項を財産契約に入れておくというような結婚もあるらしい。



この記事にはなぜか外国からのスパムコメントが多数つくので、コメント不可にします。

 

 

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