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2009年4月24日 (金)

Auto-entrepreneur

Auto-entrepreneurで検索してこのブログにいらっしゃる方が増えているようなので、補足的に少し書いてみます。
あくまで情報提供目的なので、起業に際しての調査は慎重になさってください。

先日、自分のためにauto-entrepreneur (AE)の制度を軽く確認してその内容をブログに書きました。 (PLからAuto-entrepreneurへの変更をしない理由


私個人の結論としては、現在の身分であるprofession libérale (PL)と比較してもとくにメリットがないので、現在のPL身分を継続する結論に達したという話なのですが、これから新規に起業することを考えている人は、まずはAEで始めてみてもいいのではないでしょうか。新規起業者はAEでなくてはならないというわけではなく、従来のPLや商業登録をすることももちろん可能なのですが、ある程度の取引規模が確実に見込めるのでないなら社会保険料のことを考えてもAEにしておくほうが気楽に始められるのではないでしょうか。また、最初はAEで始めて後からPLや商業登録に切り替えることも、もちろん可能。

起業に際しての大きな心配事は、「どれだけのお金を国に納めなくてはならないのだろうか」という点だと思います。AEで起業した場合、従来のPLや商業登録と違って、税金や社会保険料を取引額のパーセンテージで払います。したがって、従来と違って、収益があってもなくても支払うべき最低額、というものがありません。つまり、取引がなければ払うものもありません。

#利益が出なくても、取引があれば支払いが発生します。(2009-06-11追記)

これがAEの一番大きなメリットだと思います。たとえば、従来のPLや商業登録だと、いくらか社会保険料などの減額措置が受けられるとしても、健康保険料だけは一切の減額や支払い猶予がなく、収益がないどころか赤字だとしても一定金額を支払わなくてはなりません(年間800~1000ユーロ程度か)。この一律の最低納入金額がないだけでも、気持ちの上では気楽に思えます。

PLについては、先日の日記の数字を見てもらうことにして、商品販売(ネットショップなど)に携わる場合の数字を見てみると、およそ次のとおり。

1.年商80000ユーロ未満の事業主が対象。

2.Regime fiscal micro-entrepriseの事業主、つまり、商品売買業なら年商80000ユーロ未満の事業主にはTVAの徴収・納入義務が発生しない。

3.家族1人あたりの25195ユーロ未満の世帯年収なら、所得税は発生しない。
 家族1人あたりというのは、世帯の構成人数によって家族係数(quotient familial)が決まるので、世帯収入を家族係数で割り算すればよい。ごく大雑把な言い方をすると、成人1人なら係数1、成人2人なら係数2、未成年の子供は1人0.5。 家族1人あたりというのは、家族係数(quotient familial)のことと考えればよい。大雑把に言うと、世帯収入を世帯の構成人数(part)で割り算して算出した ものが家族係数。世帯の構成人数は、成人は1人あたり1、未成年の子供は1人0.5。夫婦に子供1人なら2.5。
 先日の日記にも書いたとおり、所得税のforfaitにチェックを入れると3カ月に一度、いったん徴収されるはずです(未確認)。結果として年間所得が非課税枠内だった場合は払い戻しを受けられるのだとしても、一時的な納入を避けるためにチェックを入れないほうがいいかもしれない。
 所得税のforfaitにチェックを入れた場合、所得税率は1%。ただしこの1%というのはAEとしての取引額のみにかかるものなので、その他の収入(家賃収入など)がある場合は、従来の計算法で算出された所得税額を支払うことになる。

4.社会保険料分として、取引額の12%を支払う。
 つまり、100ユーロの取引額があれば12ユーロを納入するので、これを横に取り分けておけばよい。上にも書いたとおり、従来と違って最低納入額がないので。

5.商品売買業であれば、従来なら商業登録(RCSへの登録)が必要だったところ、AEで起業すればこの登録が不要。したがって、CCIではなくURSSAFで手続きをする。RCSはなくてもSIREN/SIRETは付与されるので、請求書などにはこの番号を書けばOK。ただし、業務内容によってはAEであること(RCSがないこと)により取引先の信頼が得にくいというようなことがあるかもしれないので、そこは事前リサーチが必要。

6.新規起業者に対する援助(Accre)が受けられる(前の日記には書かなかったけれど、PLで起業する人も、申請が通れば援助を受けられる)。申請すれば誰でも受けられるのかどうかは分かりませんが、希望者は申請してみてもいいのではないでしょうか。(私は起業時に申請しようとしてみたのですが、企業の継続可能性が低いという理由で申請書類すら受け取ってもらえなかったけれど、最近は事情が変わっているかもしれない)
 注意事項としては、起業の書類を出す前にAccreの申請をする必要があるはずなので、まずURSSAFで確認してみてください。

7.AEの場合、取引額の申告を3ヶ月ごとに行なう。
 会計関連の帳簿は、入金だけ時系列でまとめておけばよく、商品売買業なら一律71%で控除されるので、経費の支出を記録しておく必要はない。(個人的には、自分のために記録しておいたほうがいいと思うけどね)

8.副業としての起業は可能ではないかと思う(会社勤めが本業、副業でPLとして登録している人が従来存在していたので)。でも、外国人の場合、滞在資格によっては何か制限があるかもしれないので要確認(サラリエの滞在許可を持っている人が自由に起業できるのかどうか未確認)。

2009-07-25追記
AEの登録方法に本業用・副業用の区別はない。本業か副業かは、あくまで起業者の心持ちの問題だと思う。とはいえ、他に本業を持っている人が副業を始める場合は、AEであるかどうかにかかわらず、業種に応じてURSSAFやCCIなどであらかじめ相談しておくほうが安心ではないか。社会保険料等の金額に差が出るかもしれないので。

 

ご参考:
フランスで翻訳の仕事を始める(一例)
フリーランス仕事で難しいのは
AEで起業すれば滞在許可/ビザがもらえるのか
AEでの起業は他の制度に比べて簡単なのか

 

 

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コメント

はじめまして。
実は副業として起業しようかなと考えていたのでとてもためになりました。私はフランス人と結婚しているのでVisaの心配はないのですが、色々制約があると、本業のほうに支障がでたらいやだなぁとか色々考えて躊躇しています。外国で起業するのはたいへんそうですね。。

投稿: SaNi | 2009年4月26日 (日) 09時29分

SaNiさん、コメントありがとうございました。

事業内容によってはいくつか確認しなきゃならない点がありそうですね。起業すること自体はあっけないほど簡単だけど、事業として継続できるかどうかの判断が難しいかもしれません。どうしてもこれで稼がなきゃ、というのでなければ儲けは度外視して始めてみてもいいかもしれませんが。。。いろいろ悩むところですね。

投稿: Olivier | 2009年4月29日 (水) 14時58分

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