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2008年3月14日 (金)

在仏日本人相手の取引(その2)

まずはBさんから領収証をもらうことについて。


1.Bさんから領収証を受け取るための大前提として、Aさん・Bさん間に取引関係・契約関係があったことを示す必要がある。これについては、たしかに紙に書いた契約書があれば話が早いのは間違いない。でも、今回のケースでは、そういう書類が存在しない。あるのは、やり取りしたメールと、荷物が送られてきたという事実と、AさんがBさん宛にお金を送った記録くらい。

契約関係の成立に、紙に双方が署名することは必須条件ではない(ただし、不動産売買のように紙の契約書が必要な取引を除く)。事実として取引があったことが確認できればよい。それならば、メールでのやり取り、荷物の受領、入金などは、取引があったことの証拠として使えると思われる。

#私自身、不払いを続ける取引先に対する支払い命令を出してもらったことがあり、その時はメールの写しを裁判所に提出した。それでOKだった。

BさんはAさんとのやり取りの中で自分が仲介窓口になることを了承し、料金を受け取り、商品を購入し発送した。だから、BさんがAさんからの依頼を理解していなかった、そんなつもりはなかった、などと言い訳するのは難しいと思われる。つまり、Aさん・Bさん間には合意があったと考えてよいだろう。

契約成立のための他の条件(当事者の法的能力、契約の目的=ここではAさん・Bさん間の取引、債務の直接的な理由=仲介して購入された商品および仲介業務とその対価)については、あらためて確認する必要がないと思う。


2.ところで、フランスの商法の規定(L440-1条以降、とくにL441-3条)によると、職業上の売買やサービス提供が行なわれた場合は請求書を作成しなくてはならない。販売者は、販売やサービス提供を行なうと請求書を発行しなくてはならない。購入者は、これを請求しなくてはならない。請求書は2部作成し、販売者と購入者がそれぞれ1部ずつ保管する。

請求書には、両当事者(つまり販売者と購入者)の名、住所(所在地)、販売日・サービス提供日、数量、商品名、税抜の価格、値引き(あれば)に関する情報を記載する。また、支払い期日も明記する必要がある。

この他、欧州規則により記載が義務付けられているものとして、商業登録番号(RCS)または個人事業主番号(SIREN)、会社形態、資本金、付加価値税(TVA)に関する情報などがある。

基本的にフランス国内で法的に通用する書類はフランス語で書かなければならないが、職業上の取引(つまり一方がいわゆる消費者じゃない場合)は、必ずしもフランス語で書かれた書類でなくてもよい(1996年3月19日の通達)。

さて、Aさん・Bさん間の取引にこの規則が適用されるのかどうか。

この規則の適用範囲については、過去の判例で次のような判断がされている。

1.販売者が個人(商業登録、個人事業主登録をしていない人)の場合も適用する。
2.フランス国内で購入したものをフランス国外で販売・転売する場合も適用する。

つまり、Bさんが何の事業登録も行なっていない個人だったとしても、上の2つの判例に照らすなら、この規則が適用されることになる。

この規則に従わない場合、罰則もある。L441-4条によると、7万5000ユーロの罰金である。ただし、この金額は請求書に記載されるべき金額の50%まで引き上げられることもある。余談だが、「~~額の50%まで引き上げ」というのは、商法関連の罰則ではよく見かける。



ここまでやったところで、ちょっと大きな翻訳の依頼がきたので一時中断。(ニュージーランドの会社なんだけど。。。あっち今何時?)
続きは後日。



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